ショベルのオイルライン

本日は久しぶりに業者向けな感じのお話
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ほんの些細な事が一歩間違えれば大惨事シリーズです
今回はショベルのロッカーオイルライン
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この様に、純正と社外、はたまた社外同士でも色々長さが違ったりします。
今回、純正のが用意出来ませんでしたが、基本純正の方が長いです
ロッカーボックスの位置関係とかも関わってきます
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加えて、この受けのフィッティング部分も深さがいろいろ違ったりでして・・・
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浅いタイプ
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深いタイプ
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ここのオイルラインには、オイル漏れを防ぐために、ゴム製のスリーブが入るのですが大概の物は長期使用に伴い、上の写真の様に潰れてしまいます
特に社外のセットを組む時は注意が必要というお話を
物によってはフィッティングに刺さる部分が3~4mm潰れてしまうのですが
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オイルラインの長さが短かったり、深いタイプのフィッティングに片側が寄ってしまいスリーブがオイルラインのエンド部分より出てしまうと、穴を塞いでオイルが行かなくなってしまう事がありますので、実は非常に注意深く組む必要があると思っているのは私だけでしょうか?
結構重要なのに、皆知らないのか?知ってても書かないのか?語られない話がまだまだ色々あるかと思っとります
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純正か社外か以前にこの様にヘッドを先に組んでから入れようとして入らなかったのか、短くカットされてしまってる物もあるので、これまた要注意!
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短いっ
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場合によっては、オイルラインを制作して対処しております
こんぐらいの長さは欲しいですね~
んな訳で、ほんの少しの事が大惨事シリーズ、ロッカーオイルライン編をお届けしました

カムギアツール ~調子が良いは作られる偏~

何年か前からずっと書こう書こうと思い、書いたら書いたで他の人の考え方を否定してるような、揚げ足取ってる様な気がして、なかなか書けずじまいの事を書きます。
今回はほぼプロ向けの内容なので、興味無い人はスルーの方向で
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エンジンとかやってるブログとかでチョイチョイ出てくるこの工具
一流メーカーと言われているJIMSのカムギアアライメントツールですね
これでギアを入れ替えて正確なカムタイミングを出せるスグレモノです!みたいに紹介されてるのを見た事ありますが、私の見解ではOKではないかな?という工具なのです。
上の写真で見るとかなりタイミングがズレている様に見えるので、ついつい0のメモリの所に合わせて入れ替えたくなりそうな感じですが、実は上の写真のカムはほぼほぼカムタイミングが取れておるのです。
ここからはこの工具を使った事ある人しか解らないかも知れないですが、付いてきて下さい。
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この工具の真ん中の穴にあるこのポッチに
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70年以降のカムのエンドに入ってる溝(ガバナー固定用)を合わせて
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カムギアのピニオンギアとの合いマークを工具の三角矢印と合わせドエルピンで固定(写真では入ってませんが)し、その時に目盛のどこに来てるかでカムタイミングを見ようというのが狙いの様ですが
本来は、カムギアとカム山との位置関係を合わせないといけないのに、この工具では、カムギアと溝(ガバナー固定用)との位置関係を合わせる事になってるだけなんです。
カム山に対して、超正確な角度でガバナー固定用の溝が掘られていたら、本来の狙いどおりこの工具で合わせてもちゃんとしたカムタイミング(バルブタイミング)が得られるのですが、実際の所その溝は正確とは言えない事がしばしば
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純正Hカムその①
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純正Hカムその②
工具側固定でセットしたらこれだけ、カム山の角度が違います(この場合は、溝とカム山の関係性)
なので初めの写真の様に、工具上では思い切りズレててもカムタイミングが出ていたり、メモリ0付近でカムタイミングが出ていたりという事が起こるのです。
工具上でズレてるからといって、うかつにメモリで合わすとかえってカムタイミングが狂うという事があるというのを知っておいてください
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逆から見たギアと溝のズレ
ブリーザーギアの合いマークをどちらも9時の位置に持ってきた時に、これだけ溝の角度が違う事もあります。
※どちらもカムタイミングは合ってる状態
加えて言うと工具側のポッチもどこまで正確か解りませんし、各カムメーカーがどこを基準で溝を掘ってるかとかで変わります。
純正カム、社外カムなどでバラつきは様々ですが、私の手持ちの工具ではアンドリュースなら大体目盛のこの辺で合わせればカムタイミング出るとか自分用にはデータを持っております。
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カムメーカーから出てるデータを元に合わせるのですが
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ピストン上死点をダイヤルゲージで出して(写真なし)
まずフロントインテークのタペットが0.053インチ(1.346mm)上がった所で
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上死点の何度手前かを見て・・・・
みたいな感じで、駄目ならギア入れ替えてを繰り返して、初めて正確なカムタイミングが得られるのです。
カムタイミングとか検索して、最初の工具は出てきますが、ディグリーホイール(分度器みたいなの)とかダイヤルゲージが出てきてるのをなぜかハーレー業界では目にしないと思うのは私だけでしょうか?
とまあ、本当はメルマガにして金取りたいくらいの事を労力使って書きましたが、誰かの参考になって調子の良いバイクが少しでも増えればと思います。
※、お歳暮お中元は年中受け付けております
点火調整もこれに近い感じでやればより正確な調整がとりあえず出来ます
今回の記事を読んで、前に組んだバイク大丈夫かな?と汗が出てる人も居るかも知れませんが、まぁ、従来のやり方でもイケてたのなら別にえーんとちゃいますか、ぐらいにしか思っておりません。
細かい事書きましたが
まぁ、私は日々正解に少しでも近づく用に、そして最終的にはテキトーにやります(笑)

SIFTONのオイルポンプ

天才チューナー、トム・シフトン
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オールドレーサー好きなら一度は聞いた事がある名前だと思いますが、現在もなおカムシャフトなどのエンジンチューニングパーツを製造、販売しております。
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今回はそのシフトンのオイルポンプを使ってみる事に
理由はS&S製より純正に見た目が近いから
それだけ
新品パーツといえど、組む前に入念なチェックをするのは当たり前なのがハーレーの整備の世界
通常バリ取りとかがメインですが、オイルポンプの穴という穴、溝という溝を構造を理解しながら入念にチェック!
なんかオカシイ所発見~の図、が上の写真
オイルを流し込んだが何処にも流れて行かない
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他社のポンプと他年式の物と比較の図
こういう時思う、無駄な在庫バンザイ
今回のメーカー側の加工ミス部分は、1次プライマリーチェーンへの給油のライン穴が開いていませんでした
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今回組む車両はオープンプライマリーが組まれているので、別に開いてなくてもギリOKなんですが、今後の展開や次に乗る人の事も考えて加工します。
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深さを測りながらこっちからも開けます
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これでオイルが行くはずです
参考にして下さい
手前味噌ですが、ハーレーの修理は経験のある専門店でやりましょう
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ややこしいついでに、今回の車両はアメリカからのゴチャ混ぜ系エンジンでして、72年の1200ccベースに1340ccのクランクが組まれていて、ケース加工がしてないのに73年以降のオイルポンプとカムカバーが付いているという訳解らん仕様で、結果から言うとクランクにオイルがいってないという残念すぎる組み合わせ。
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クランクが常時ちょびちょび給油?のサイドオイラーから、油圧上がった時に流れるエンドオイラーの年式に替えられているので、色々とケース側も加工します。
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穴を埋めたり~
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用意してた~72’のポンプも加工
一般ユーザーには意味解らんブログになって来ましたが、古いハーレーの修理は同じお金出すなら経験のある専門店に出しましょうという事です。
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オイルポンプシャフトのブッシュもガタガタだったので、面倒くさがらずに交換します。
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新しいのと、古いのん
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新しいのを圧入~
ガタなしスルスルになりました
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今回の車両はカムタイミングもズレていて良くない感じでした
この辺もワンステップ先の調整方法でやってますので、今度書きます
現在、SIFTONを始め多くのパーツ会社がアジア系企業に買収されてるので、品質の低下が多方面で起きているというのが今後の悩みです
ダメな部品はMADE IN JAPANで作る必要が出てくるんじゃないかと
会社が大きくなり、株式化され、グローバル資本主義の波に押され、創始者の意志とはかけ離れていく時代よ、いと悲し
今回は主に加工穴が開いてなかっただけでしたが、全ての穴に意味があるのでその辺をしっかり見極めれるお店に大事なお金は使いましょうという話でした~

COCK OFF!!

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こちらデロルトキャブ。イタリア製の粋なヤツ。
当店ではあまり使わないですが、旧車にも似合うしイタリア製なのでなんかモテそうな感じでいいんですが、ちょっとばかし難点がありまして、本日はその辺の対処法の一つを提案したいと思います。
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リンカートキャブやS&SのLキャブなどの古いキャブもそうなんですが、このキャブには金属製のニードルバルブが入っておりました。
ゴム製のと比べてオーバーフローし易いのは勿論の事なんですが、このデロルトキャブはオーバーフローした際に溢れたガソリンがそのままシリンダーに流れ込み、クランクケースまで落ちてエンジンオイルとガソリンが混じってしまい、まぁ平たく言うと”良くない状態”になるのです。
これは、BキャブやLキャブ、FCR、CRキャブにも言える事で、これらのキャブが付いてる人は特にガソリンコックは必ずOFFにする癖を身につけておいて下さい。
万が一やっちまった時の対処法はまた今度書きます。
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今回の車両も2度もクランクケースをガソリンでイッパイにしちゃったみたいなので、そうならないように現代の部品を使えるようにアダプターを削ってるの図。
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コック閉める癖がどうもつかない。エンジンオイルにガソリン入ってエンジンぶっ壊したくない。
そんなワガママを叶えるには、EVOの途中から採用されてる負圧コックを使えるようにするちゅうのはどうだろうか?
と、前から思ってたのでやってみようって事に。
こんな感じで負圧を取れるように加工。
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取り付けるとこんな感じ。
なるだけ目立たないようにしました。
負圧ホースは専用品を使いましょう。
負圧で潰れない様に。

紹介遅れましたが、負圧コックとはエンジンが回って吸気の負圧がかかってる時だけガソリンが送られるコックで、逆に言うとエンジン回ってなければガソリンが流れないので、コックがONのままでもガソリンが流れず、オーバーフローの心配がないという安心設計なコックの事なのです。
キックでちゃんと送れるか心配でしたが、キックでもそれなりの流量が得られております。
キックだけでも案外いけそうな感じ。
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コック本体はこんな感じ。
元はメッキなので、ブラストで質感を落ち着かせました。
あっ、ちなみにこのコックのOリングは部品が出ないみたいで、他所の店ではコックASSY(一式)で交換させられて結構な金額言われるみたいですが、Oリングごときでそんなアホな話は無いと思い探し出してあるので、当店ではコックASSYの半額でOリング交換致します。
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10年以上前に作った車両ですが、ずっと乗ってるって自然体でイイネ!
女子がオーナーですが、近々ショベル女子が一人増えそうです。
女性客が数人しか居ない当店には貴重な存在です。
まぁ、入りにくいんでしょうね~。別にいいけど。
という訳で、こんな方法もあるよ!という提案でした。
やらない人は必ず COCK OFF!! でお願いします 

ロッカーOリング ~安物買いの銭失い編~

(ナレーション)BRAUN MORNING REPORT 
通勤中のサラリーマンA「えっ!?ヒゲですか?」「朝ちゃんと剃って来ましたよ~。」
ブイ~ン、ブイ~ン。
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ブイ~ン、ブイ~ン
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コンコンッ
サラリーマンA「あっ、結構剃れてますね~☆」
はい、のっけから若い世代には???なパロディーから始まりました
何の事かは今から説明しますね。

ってCMの説明じゃなくてエンジン関係の話でしたね。
先ほど手に持っていたのはショベルのロッカーアームシャフト
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14番の部品ですね
今回はそこに使うOリング(15番)について重要な事を書きます。
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ロッカーアームの目玉の周りに注目!
この様にOリングがはみ出ている車両は要注意です。
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外すと中がこんな感じになってる可能性があります。
近年特にゴム製品の質が落ちてきてるので、社外の安物を使うとこの様になります。
エンジン組む時に、「えっ!?洗浄ですか?」「ちゃんとやりましたよ~。」っても、こんな事になったら意味無いですよね。
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この様なカスがロッカーアームシャフト内部を通り、オイルラインを詰まらせます。
小さなオイル穴が詰まるとバルブ周りにオイルが行かなくなり、最悪バルブが焼きつき(抱きつき)を起こし、ヘッド周りのオーバーホールとなっちゃいます↓↓
去年もこのオイルライン詰まりが原因の車両を何台か修理しました。
一度ヘッド周りをバラすとアレコレ出てくるので結構な出費となります。
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当店では以前はハーレー純正を使ってたのですが、ここ2~3年前から入手しづらくなったのと、なんか少し品質が落ちた気がするので、オリジナルのフッ素ゴムの物を使っております。
耐熱、耐薬品性(ガソリン)に優れる日本製の物です。
純正の物より若干太くオイル漏れもし難いです。
(EVOのプッシュロッド用を使う人も居る様ですが、あそこまで太いと潰れるので詰まらないですかね?オイル漏れを直すつもりでライン詰まらせて、バルブ焼いたら本末転倒。かと思うのは個人的な意見)
以前から常連さんにはネットショップをやるやると言ってますが、一向に実現しないので欲しい人は小売りしますので、メールかFAX077-532-1514(TELと兼用)で問い合わせ&注文して下さい。
※シャフトの形状により2種類用意してございますのでこちらの記事を参考に90度タイプかテーパータイプをご指定下さい
4つで1400円(税込み1512円)で、封筒、切手代で送料88円、合計1600円で送ります。(※税率8%時)
振込先はプロフィールのCompany Infoからどうぞ→http://authentic.moo.jp/main/archives/2005/07/04222534.html
とまぁ宣伝みたいになりましたが、手間を考えるとアレなんでスルーして下さい。
「俺のもこうなってたけど、Oリング換えるだけで大丈夫かな?」
って人は、来店して頂ければロッカーアームを分解せずに洗浄をする道具と方法を持っておりますので来店の上、ご相談下さい。
全部取れるとは言えませんが、やらないより随分良くなるかと思いますよってに。
皆様が安物買いの銭失いにならない様お祈り申し上げます。