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cylinder head refacing

cylinder-head-refacing.jpg
①圧縮がかなり低く、取り外された72年FLのヘッド。
外す前に、プラグホールからオイルを入れて再度圧縮を測ったらかなり改善されたので、通常ならシリンダーとピストンの磨耗によるクリアランスの増大が原因だと診断されるところです。
②しかしよく見ると、ヘッド面が金ノコで切ったような、指ではっきり解るほど段が付いています。これならここから圧縮が漏れても全然おかしくありません。事実、プラグホールから入れたオイルが外側へ噴き出されていました
ここからは推測ですが、製造過程で鋳型から外されたヘッドをカットして面研せずにそのまま出荷されたのではないかと思います。常識としては考えられないのですが、この時代のさまざまな逸話を聞く限りありえない話ではないと思います。
ショベル以前のハーレーの修理は、いくら整備書を勉強しても肩書きがあっても、通用しない事が多々あります。あの手この手で無限に手こずらせてくれます。鋭い洞察力と、イマジネーション、指先の感覚。そして何より真剣に向き合う姿勢が必要だと思います。
俗に言う「ハズレ」のエンジンには必ず何か原因があります。そこを突き詰めるのは、はっきり言ってショップとしてはかなりしんどかったりします。でもそれが、いちメカニックとしての経験となり、良いエンジンになれば全て善しなのではないかと思います。
③面研ツールを使って、公差 1/100mm以内研磨されたシリンダーヘッドの表面。作業風景は動画でアップしておきます。
④加工後のヘッド。
右下に写ってるのが、面研用の治具(ジグ)で、左下のはその治具(ジグ)を作る為の試作品。

今回のように、ヘッド表面が荒れている場合もありますが、バラバラな馬鹿力で締められたヘッドや、オーバーヒートなどでヘッド面がゆがんでる場合もありますので、同様の作業をして圧縮漏れや、内側にオイルが入り込むのを防ぐ事を防いでやります。

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