78'FXS Archive
78'FXS part③
- 2012-12-18 (火)
- 78'FXS
正面からローアングルで
よく、グースネックと間違われるのですが、フレームは1948年のレプリカをチョップしないで使っています。
同じフレームを使ったバイクと並べると、エライ低いんですが、それはタンクのマウントやフロントのスプリンガーのアソコやアソコを切ってスプリングも短くしてハンドルの取り付けで低く見せてるだけです。
実は「グースネックでフォークを寝かせて欲しい。なんならハンドルをタンクの下面より低く付けて欲しい」との要望もあったのですが、はっきり言ってだいぶ乗りにくくなるので、安全面&操作性重視でこうなりました。グースの車両と並べても同じような低さで、ロードクリアランスもしっかり取ってあるのでコーナリングも楽しいです。
"チョチョイ真鍮シリーズ"で作ったキックペダルもそうですが、キックアームをまっすぐに加工して、足を下ろした時に邪魔にならない&見た目スッキリにしてあります。(この頃から地味な加工が好きやなぁ)
パンのキックカバーもこの頃から好きで使い出しました。一度表面の凸凹を削って、ブラスト当てて、そこから研いで程々な感じでフィニッシュ・・・
部品を加工してカスタムしてある感を出したいのではなくて、元の形が格好悪いから手を加えているだけです。"ネガティブカスタム"をスタイルとしております。
タンク小、ヘッドライト小、スプリング付きサドルシートにバレルオイルタンクなので配線などを隠す所が全然ありません。
でも、電装系の部品が見えてたり、配線ゴチャゴチャしてるのは大嫌いな私ですので、ブレーカー3個とウインカーリレー、イグニッションキー、HI-LOWスイッチをこの箱の中にしまい込みました。
カートリッジ式になっていて、ゴッソリ中身が出てくるのでメンテ性も良好でございます。
ちなみに、この箱はナックルやパンのイグニッションコイルの中身をくり抜いた物です。
この車両、Bキャブのキックオンリーでとても女子の乗り物とは思えません。
でもしっかりセッティングしてあるので、京都にいた頃は通勤で乗っていたくらいイージーに扱えます。
こんなん載せたら怒られそうですが、昔のホットバイクの密かに人気コーナー。「今月の可愛い子ちゃん」というなんとも恥ずかしいコーナーに載った時の写真。もちろん本人にはそんなコーナーとは伝えずに、ネタにしてしまいました。
ネタといえば、昔、私は通販のカタログに載った事があります。(あれはホンマに恥ずかしい)
こんな足でようキック蹴ってたなぁ。では無くて、見ての通りここまで低くしながらも乗車姿勢も無理の無い感じです。実際本人が乗って走ってるとカッコイイ。身内びいきで申し訳ありません。
キャブカバーは「S&Sのティアドロップを小さくしたら良さそうやん」と思い。ワンオフで制作。
後に、超リスペクトするDENの佐藤さんも同じ感じのを作ってたのを知り、なんか勝手に喜んでおりました。なんか嬉しかった。
Bキャブが出っ張るので極力薄く作ったんですが、ちょうどいい出っ張り具合になって、たまたまマフラーのヒートガードにもなって、なんか嬉しかった。
という訳で、十年前を振り返ってと称し、身内のバイクを褒めちぎるという、またしてもやってはいけないという事をいともあっさりとやってのけた私ですが、これからも宜しくお願いします。そして、良いお年を。
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78'FXS part②
- 2012-12-12 (水)
- 78'FXS
てゆうか別に何も変わってませんね。ちゅう感じです。
「ハンドルは黒で」と言われたけど、その後やっぱりメッキに変えました。
乗車ポジションを楽にする為に、手前に引いてるのが良く解るの図。
レバーも角を全部落として丸くしてるのもこの頃からやってたんやなぁ・・・
直付けも今ではよく見るけど、一応自分の頭で考えてやった。いちおうプロなんで・・・
スロットルのやり方も、昔に自分のショベルでやって、カブチョッパーでもやったやり方。ゼロさんが同じ感じのをやってたが、これも北海道の帯広のキャンプ場で4日間雨で動けなかった時に考えた。(わざわざ「パクってません」アピールみたいな)
スロットルスリーブは直径5cm長さ20cmの真鍮の塊から100Vのショボイ旋盤で丸一日かかって削ったなぁ。見えてる部分は5mmくらいやけど・・・
この頃は何も知らなかったなぁ。
ブレーキアームは鍛冶屋さんよろしくな感じで、トンテン、カンテン叩いて造り、軸の部分もブッシュを長めに入れてあるのでシッカリしております。
ポイントカバーもメッキの剥離など知らなかったので、ベルトサンダーでメッキを削り、後はひたすらサンドペーパーで削り跡を消して、手磨きで磨きました。
小さい頃からアンティークの囲まれて(囲まれてっちゅう程でも無いですが)育ったので、たぶんアンティークのノブをイメージしたと思う。
「チョイチョイ真鍮を入れてね♡」ともオーダーがあったのですが、チョイチョイの真鍮にアルミをチョイ入れました。みたいな感じです。
リベット、マイナスねじ、布配線などの今もベースになってる部分は村山モーターサイクルさんに工場?見学に行って勉強させていただきました。
見て学んだと言えばカッコイイですが、只のパクリですゆー感じであります。
こういう配線の留め方も、その当時は皆タイラップでやっていたのが多かった。(旧車でも)
どーしてもこのテープが手に入らなくて、「頼むからこれだけ教えて下さい」と村山さんに言ったら、「そんなんサージカルテープ(突き指した時巻くアレ)でやっときゃいいやん」って言われた。
衝撃的事象でありました。
今はPSYCLE SHOPさんとかで普通に買えます。こっちの方が使い込むとテカッて来てカッコイイです。
手短かにpart②まででまとめようと思っていましたが、疲れてきたのでpart③に続く
78'FXS part①
- 2012-12-07 (金)
- 78'FXS
今年も残す所あとわずかですね。
写真はビフォーな時。
エンジンかけるのに2時間かかるとの事で修理に入ったの図。この頃はショベリジに乗った女子は珍しく、こんなテキトーな感じのカスタムでも乗ってると十分にカッコ良かった。
この後、事故を機にフルカスタムをする事に。2002年某日。
事故る以前に元のフレームは2個1か3個1で、継ぎ目も芯入ってないわ、歪みまくってるわな状態だったので、純正タイプのリジッドに載せ換える事に。
当時の受け売りでフレームパイプ内部に発泡ウレタンを入れてみた。(剛性が上がるらしい)
この頃(前の店)はアーク溶接機とガス溶接しかなかった・・・・
基本、修理屋だったので、ここまでパーツをワンオフで作ったのは初めてだった。当時の自分の出来る限りの事はしたつもり。
特にハンドルは100Vの旋盤で、材料も無垢しかない状態のをひたすら削り4日もかかってしまった。(今なら1日で出来るかなぁ?)
ツレに「気持ち悪い」と言われたのを覚えている。
今と変わらないが、オーナーの意向を優先しつつ仕上げた。バレルタンク、フラットフェンダー、ライト位置等。
パンやナックルなどの純正ホースシュータイプのオイルタンクにしたかったのだが・・・いつかコッソリ変えよう。
「テールランプはめっちゃ小さくしてね♡」と言われたけど、危ないので基盤を買ってきてLEDテールを作った。
この当時はまだ市販のLEDテールランプは無かったハズ。(もー記憶がアレですが)
その後、2003年のクールブレーカーに出して、2004年のHOT BIKE 78号に載った時の写真。
ちゃんとバイクに似合う場所を探しに行って、2台でほぼ日中かけて取材してくれた。他社は「バックなんかどーでもいいですよ」ちゅう感じだったので、ちゃんとしてるなぁと思った。
右の文にある通り、この車両での事故を機に74スプリンガーを研究して、オリジナルのブッシュも作った。(元々ガッチガチで動かなくてリジットフォーク状態だった)
なんせ、このスタイルながら乗り易さを追求した。
説明にあるとおり、16個の部品を作ってくっつけては削り、棒ヤスリから紙ヤスリでひたすら手磨きでやった。(いい道具が無かった)
レバーも直付け。で、今やド定番の鋳物風の仕上げにした。(この当時は新しい手法を生み出したと、だいぶやったった感を感じていたが、ほとんどの人に気付かれなかった↓↓)
トップティーを無くして、ハンドル自体をトップブリッジにしたので、より低くかつ手前にハンドルが来るようにした。
スプリンガー側も切って低くしてある。スプリングも何気にショート加工している。
ワイヤーの取り回しも気を使ってホルダーの向きを作った。
そんな細かい所より、一発目の見てくれ重視なのが多かった様に思う。今と違って。
スポタン&フレームスなフリスコチョッパー全盛期。WCCに影響されてる感じのバイクも出てきてニュースクールも流行り出した頃。
クールブレーカーってのもあるけど、基本派手なバイクが多かったなぁ。
流行りに全くついて行けていなくてスミマセンっちゅう感じです。
このナックルとホットロッドちっくなショベルと3台出展しました。
今じゃド定番のファイヤーストーンのタイヤも、他に1,2台しかまだ履いて無かったなぁ。今年のロッドショーなんかビンテージタイヤの方が圧倒的に多かったですね。
この10年で、日本のカスタムシーン(技術力もね)もの凄く変化したなぁ。
私は今のカスタムシーンにもついて行けてませんが、あんまブレてないんじゃないかと思う。