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修理 Archive

気付く力で未然に防ぐ

集客とかと全く関わりの無い世界で生きてるので更新頻度少な目ですがバリバリやっとります
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気になり出していつもやり過ぎてしまう納車整備
気が付きゃ1月程遅れての納車

元々普通に走ってる車両だしサクッとやって渡せば良いのですが…
クラッチをバラしてたらなーんか違和感

プライマリーのベアリングが駄目になる手前でした(写真無し)

違和感に気付く「気付き力」はヒジョーに大切で、整備士で無くても
乗り手が自分の愛車の違和感に気づく事で大きな故障を未然に防げるかと思われます

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クラッチ板に違和感を発見
こうしてまた手間が増えてゆくのであった

旧車の納車整備はレストアではありませんのでその時点で大丈夫な所は手を着けないのが基本
駄目な所は改善して渡す

でも、やり出すとキリが無い事が多いですわ〜

ps.この記事は1月26日にアップしたつもりになって下書きで終わってた物になります

cylinder head refacing tool

cylinder-head-refacing-tool.jpg
ショベルのヘッド面を均一にフラットに加工する工具を作ってみました。
①まず、ベースとなる大小2枚の円盤を作るために、親戚のリハート・エンジニアリングさんにCADで図面を引いてもらいました。このベースは精度を上げたかったので専門職にお願いしました。
②その円盤(大)にロッカーボックスのスタッドが入る穴を8つ開けます。この穴が不均等なピッチの為、一度、試作品を作って現物合わせでφ8.2mmで開けました。
そして円盤(小)が入る溝を、燃焼室の中心が軸になる様に掘ります。
③あらかじめ四方に均等に空けられている穴をガイドに、タップの下穴を開けます。
④そして出来上がったツールを旋盤にセット。この後、テスト用の店のストックのヘッドを回して削りましたが、初めは相当びびりましたよ~。でも慣れれば、これなら絶対大丈夫という自信になりましたけどね。

cylinder head refacing

cylinder-head-refacing.jpg
①圧縮がかなり低く、取り外された72年FLのヘッド。
外す前に、プラグホールからオイルを入れて再度圧縮を測ったらかなり改善されたので、通常ならシリンダーとピストンの磨耗によるクリアランスの増大が原因だと診断されるところです。
②しかしよく見ると、ヘッド面が金ノコで切ったような、指ではっきり解るほど段が付いています。これならここから圧縮が漏れても全然おかしくありません。事実、プラグホールから入れたオイルが外側へ噴き出されていました
ここからは推測ですが、製造過程で鋳型から外されたヘッドをカットして面研せずにそのまま出荷されたのではないかと思います。常識としては考えられないのですが、この時代のさまざまな逸話を聞く限りありえない話ではないと思います。
ショベル以前のハーレーの修理は、いくら整備書を勉強しても肩書きがあっても、通用しない事が多々あります。あの手この手で無限に手こずらせてくれます。鋭い洞察力と、イマジネーション、指先の感覚。そして何より真剣に向き合う姿勢が必要だと思います。
俗に言う「ハズレ」のエンジンには必ず何か原因があります。そこを突き詰めるのは、はっきり言ってショップとしてはかなりしんどかったりします。でもそれが、いちメカニックとしての経験となり、良いエンジンになれば全て善しなのではないかと思います。
③面研ツールを使って、公差 1/100mm以内研磨されたシリンダーヘッドの表面。作業風景は動画でアップしておきます。
④加工後のヘッド。
右下に写ってるのが、面研用の治具(ジグ)で、左下のはその治具(ジグ)を作る為の試作品。

今回のように、ヘッド表面が荒れている場合もありますが、バラバラな馬鹿力で締められたヘッドや、オーバーヒートなどでヘッド面がゆがんでる場合もありますので、同様の作業をして圧縮漏れや、内側にオイルが入り込むのを防ぐ事を防いでやります。

cylinder head refacing movie 


ショベルヘッドのヘッド面の研磨作業の動画です

KNUCKLE HEAD マニ革命

in-mani.jpg
写真左上より時計回りに

・ナックルのマニホールドです。54年までのアーリーパンまではこの大型の六角ナットで締めこむタイプになっており、旧車のエンジンの造形をより引き立てております。
でもこのタイプのマニホールドは、難点があり、ブラスシールと呼ばれる真鍮のリングを締め付けて密閉させようという考えなのですが、どうしても二次エアーを吸い易い構造となっていて、後にOリングをバンドで留めるタイプに変わりました。
今回は外観をリングナットのままで、後期パンからショベル中期まで使われたOリングをそのまま使えないかという事にチャレンジしてみました。
・写真中央の金色のが外したブラスシール、その下の黒いOリングがショベル等のOリング、パッケージに入っているのが新品のブラスシールキット。
・もともと付いていたマニホールドは表面がかなり荒れていたので(写真左側)、真円に研磨しました(写真右側)。
・ナットの内側にOリングが入る様に溝を掘り、Oリングを装着。この状態ではまだ未完成で、もう一つパーツを製作して、シリンダーヘッドに装着。組み込み時はシリコングリスを軽く塗っただけで、液体ガスケットは使いませんでしたが、みごと完全に二次エアーの吸い込みが止まりました。
旧車にとって二次エアーは、エンジンに重大なダメージを与えかねない為しっかり止めておくのが大事です。

今回も一部のマニアが泣いて喜びそうなマイナーネタになりました。結構簡単そうにしてますが、案外手間がかかる作業です。見た目と性能の両立は想像以上に苦労を要しますが、成し得た時の満足感はスバラシイものがあります。

ヘッドガスケット交換

h-gk.jpg
写真左上より時計回りに
・今年の2月の頭に当店で販売した4速スポーツです。1オーナーで、実走23000km、1200ccにボアアップ後2000kmしか走っていない車両で、現状という事で販売したのですが、残念な事にヘッドガスケットが抜けてしまいました。
現状販売は基本的にクレームはききませんが、渡してから走行も少なく、こっちも気が晴れないので無償修理をさせていただきます。オーナーとの話し合いの上ガスケット代はいただける事になりました。
・抜けたガスケット。長年の放置のせいか、トルク管理が甘かったのか、私が組んだ訳ではないので一応、原因不明とゆうことで。
・ついでなのでカーボンを綺麗に落としておきます。もちろんその他外したパーツは全てきれいにして、当然ガスケットは新品に換えます。
・今度は抜けないように、ヘッドガスケット等はメタル製の物を使います。安物ガスケットで組んでは修理してる意味が無いですからね。
この後リアも同様に交換いたしました。

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