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カムギアツール ~調子が良いは作られる偏~

何年か前からずっと書こう書こうと思い、書いたら書いたで他の人の考え方を否定してるような、揚げ足取ってる様な気がして、なかなか書けずじまいの事を書きます。

今回はほぼプロ向けの内容なので、興味無い人はスルーの方向で

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エンジンとかやってるブログとかでチョイチョイ出てくるこの工具
一流メーカーと言われているJIMSのカムギアアライメントツールですね

これでギアを入れ替えて正確なカムタイミングを出せるスグレモノです!みたいに紹介されてるのを見た事ありますが、私の見解ではOKではないかな?という工具なのです。

上の写真で見るとかなりタイミングがズレている様に見えるので、ついつい0のメモリの所に合わせて入れ替えたくなりそうな感じですが、実は上の写真のカムはほぼほぼカムタイミングが取れておるのです。

ここからはこの工具を使った事ある人しか解らないかも知れないですが、付いてきて下さい。
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この工具の真ん中の穴にあるこのポッチに

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70年以降のカムのエンドに入ってる溝(ガバナー固定用)を合わせて

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カムギアのピニオンギアとの合いマークを工具の三角矢印と合わせドエルピンで固定(写真では入ってませんが)し、その時に目盛のどこに来てるかでカムタイミングを見ようというのが狙いの様ですが

本来は、カムギアとカム山との位置関係を合わせないといけないのに、この工具では、カムギアと溝(ガバナー固定用)との位置関係を合わせる事になってるだけなんです。

カム山に対して、超正確な角度でガバナー固定用の溝が掘られていたら、本来の狙いどおりこの工具で合わせてもちゃんとしたカムタイミング(バルブタイミング)が得られるのですが、実際の所その溝は正確とは言えない事がしばしば

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純正Hカムその①

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純正Hカムその②

工具側固定でセットしたらこれだけ、カム山の角度が違います(この場合は、溝とカム山の関係性)

なので初めの写真の様に、工具上では思い切りズレててもカムタイミングが出ていたり、メモリ0付近でカムタイミングが出ていたりという事が起こるのです。

工具上でズレてるからといって、うかつにメモリで合わすとかえってカムタイミングが狂うという事があるというのを知っておいてください

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逆から見たギアと溝のズレ

ブリーザーギアの合いマークをどちらも9時の位置に持ってきた時に、これだけ溝の角度が違う事もあります。
※どちらもカムタイミングは合ってる状態

加えて言うと工具側のポッチもどこまで正確か解りませんし、各カムメーカーがどこを基準で溝を掘ってるかとかで変わります。
純正カム、社外カムなどでバラつきは様々ですが、私の手持ちの工具ではアンドリュースなら大体目盛のこの辺で合わせればカムタイミング出るとか自分用にはデータを持っております。

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カムメーカーから出てるデータを元に合わせるのですが

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ピストン上死点をダイヤルゲージで出して(写真なし)

まずフロントインテークのタペットが0.053インチ(1.346mm)上がった所で

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上死点の何度手前かを見て・・・・

みたいな感じで、駄目ならギア入れ替えてを繰り返して、初めて正確なカムタイミングが得られるのです。
カムタイミングとか検索して、最初の工具は出てきますが、ディグリーホイール(分度器みたいなの)とかダイヤルゲージが出てきてるのをなぜかハーレー業界では目にしないと思うのは私だけでしょうか?


とまあ、本当はメルマガにして金取りたいくらいの事を労力使って書きましたが、誰かの参考になって調子の良いバイクが少しでも増えればと思います。
※、お歳暮お中元は年中受け付けております

点火調整もこれに近い感じでやればより正確な調整がとりあえず出来ます


今回の記事を読んで、前に組んだバイク大丈夫かな?と汗が出てる人も居るかも知れませんが、まぁ、従来のやり方でもイケてたのなら別にえーんとちゃいますか、ぐらいにしか思っておりません。
細かい事書きましたが

まぁ、私は日々正解に少しでも近づく用に、そして最終的にはテキトーにやります(笑)

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