Home > 技術系 VIDEOS | 車体周り > 新品パーツの取付けアレコレ

新品パーツの取付けアレコレ

ハーレーの部品はいろんなパーツを簡単に手に入れる事ができるのが魅力なのですが・・・コレがアレコレありまして・・・

新品の部品もそのままで組めなくもないのですが、ひと手間、ふた手間入れてやることで後のトラブルを防いだり、部品の耐久性を上げたり出来るので、その一例をあげてみます。

今回のパーツは、新品のスポーツスター用の21インチホイールです。
でも、見た目の綺麗さに惑わされてはいけまへん。

まず、ホイールベアリングの調整からいきます。
マニュアルの規定値は左右のガタ(エンドプレー)が5/100~15/100mmになっていますが・・・

このホイールは25/100mmつまり0.25mmもあります。
ベアリングのクリアランスとしては大きいですね。

下の写真①の様に、ベアリングはテーパーローラ―ベアリングなので横ガタが大きい=縦ガタも大きくなります。
幾度と無く路面からの衝撃が加わる部分に縦ガタが大きいと、ベアリングの寿命が縮まるのは想像できますでしょうか?

下の写真②の様にセンターカラーを旋盤で削って、クリアランスを詰めますと↓

当店では、4/100mm前後(+-1/100mm)を狙って、クリアランスを調整します。
これで、耐久性はグッと上がるはずです。
※あと、同業者にしか解らんでしょうが、アウターレース(コーン)がしっかり奥まで入っていないのとかもあるので工具を使って、しっかり入れておきましょう。
wheel-brg-2.jpg
①ハブの中はこんな感じです。(写真はワイドハブ用)

②旋盤で1/100mm(以下)の誤差を狙いセンターカラーを削ります。
大体いつも狙い通りイケるので、「俺って旋盤使うのウマいかも?」ってうぬぼれております。
でも、ピタっとくると嬉しいんですよね~。

③新品のホイールでも結構、振れているのがあるので、調整し直します。
ヒドイのはスポークがちゃんと締まってないのもありますので、要チェックですヨ。
均等に締めておけば、折れるなんて事はまず無いです。逆に張りがバラバラだと折れる可能性もあるので、やはり要チェックですネ。

④スポークホイールはニップルの所から雨が侵入して、100%の確率でリムの内側がサビます。
当店では、ニップルの隙間にグリスをすり込んで水の侵入を軽減させる方法を取っています。
wheel-brg-1.jpg
①元のグリスは(どうせ)しょーもなそうなのを使っているだろう、ということで、一度洗浄します。

②グリスといっても実にいろいろな種類があるので、ここはホイールベアリングに適した、高荷重にも耐えるグリスを使います。(更に耐久性UP!!)

テーパーローラ―は内側にグリスを入れ難いので、専用の工具をつかうと・・・

③この通り、内側にしっかりグリスが入ります。ハミ出た分は外側からすり込んでおきます。

④隙間という隙間にグリスを塗りたくり、雨水の侵入を防ぎます。最後にオイルシールを入れて、更にしつこくグリスを詰め込んで完成です。

新品部品をポン付けする5倍くらい時間がかかりますが、後のトラブルを防ぎ耐久性も上がったのでOKでしょう。
ホイールベアリングのガタを25/100mmから4/100mmまで詰めたら、足回りのシッカリ感は明らかに良くなりますので、これまたOK牧場でございます。

Home > 技術系 VIDEOS | 車体周り > 新品パーツの取付けアレコレ

Search
Feeds

Page Top