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コンロッド・ベアリングレースの修正

あまりエンジンの事を語りたくない私ですが(ホンマかいな!?と聞こえてきそうですが・・)業務連絡も兼ねて、現在作業中の一例を取り上げます。

車両は98年のFLSTFです。

高速で車速が伸びないとの事で入庫しました。

他所でハイカムなどのチューンがされていて、初めは走り方とエンジンのバランスが悪いと睨んでいたのですが、少しすると"ピン"と来て分解してみるとビンゴでした。↓

(ベアリングが入っているので)初めはフリーで動くコンロッドですが、エンジン回転方向に回すと(特にリアの)コンロッドがロックしております。


コンロッド大端部のベアリングレースが歪んでおります。茶色く焼けたスジがいっているのが解かるでしょうか?

後期のエボに多い症状ですが、私はメーカーのコストダウンによる製造工程の短縮に問題があるのでは?と睨んでおります。

はい、地味ムービー

これはフロントのコンロッドですが、ベアリング&クランクピンとのクリアランスの広い部分で1/100mmで、狭い部分でほぼ0mm(少しアンダー)

つまり、1/100mm(真円よりも)歪んでおります。クリアランス(ガタ)も狭いです。

コレを研磨して修正します。

今回は予算がアレだったので、一般的な方法で研磨しました。

手作業で、狭い部分を狙って真円になる様に研磨します。
ごちゃごちゃ数字の事を言っていますが、ここらのエンジン修理は手の感覚も大事なんです。

フロントのコンロッド修正後

上下左右、右斜め左斜めの4ヶ所でざっと計測。出来る限り1/1000mmの公差の真円を目指して修正。
今回はクリアランスは一般的な2/100mmにしました。

つまり、狭かった所は2/100mm研磨して、広かった所は1/100mm研磨しました。(簡単ではない)

おまけ

リアのコンロッド修正後

初めの動画を見ても解るとおり、こっちの方が歪みがひどかった。(ビフォーの動画取り忘れ・・・)

狭い所はクリアランス0mm(アンダー出てた)、広い所はほぼ2/100mmでした。
つまり、広い所はほとんど削らずに狭い所だけを狙って2/100mm研磨して広げた。そしてクリアランスを2/100mmに持って行った。(これは結構ムズイ)

ちなみにフロントもリアも一発でいけました。いい感じです。

どこの部分が狭くなっているのかを手の感覚で感じながら&理論的にどの部分が狭くなっているかを考えながらやれば、手作業でもこっこう真円に修正出来るのが解ってもらえましたでしょうか?

数値<手先の感覚<イメージかな?

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