- 2014-04-29 (火)
- エンジン
最近ちょくちょく目にするS&S社のLキャブって奴がありますが、これについて若輩者ながら少し触れてみようかと思います。
ざっくり言うと60年代から作られたレース用のキャブがルーツとなっているキャブで、フロート室(ガソリンが溜まってる所)が横に付いている"サイドフロート"が特徴のモデルです。
このカタログにも「テスト走行はストリート、ドラッグレース、ボンネビル・ソルトフラットで・・・」とレーシングキャブとして産まれてきたのが解ります。
一般的に流通しているのは4種類ですが、結構イロイロ在るので今から書いていきます。
この写真の手に持ってるのが「GAL」というモデル。1972-75年に作られたモデル。割と古いモデル。
車体に着いてるのが「MGAL」というモデルで1977-78年に作られたモデル。
「GAL」の改良バージョン。メインエアポートの位置や、メインノズルの変更でエアブリードが向上しパワーアップを図った。
両方とも口径は同じ1-7/8"(47.6mm)
(ココからは拾いもんの画像)
これは「GBL」というモデルで1972-75年に作られた、「GAL」の小口径バージョン。
口径は1-3/4"(44.45mm)。基本的な作りは「GAL」と同じでボディーも共通なのでGBL(GAL)の文字は打刻で入っている。
※MGALや後に出てくるMGLは口径は1つなので浮き文字
これが最終モデルの「MGL」。口径は1-7/8"(47.6mm)。1980-81年に作られた。
ボディーには"MG"の浮き文字が入る。
フロートが真鍮の筒型から黒く四角いフォームタイプに変わり、ニードルバルブも変更された。
※この写真のは珍しい後付けの加速ポンプ付き。
インターミディエイト・エアブリード(エアジェット)が付いてセッティングし易くなり、チョークがノッチ式(4段階)では無く、スプリングプレート式になりどこでも固定出来る様になり始動時の微妙なチョーキングが可能になった。
(MGALで不満だった点が解消されている)
(通常のキャブのスロージェットにあたる)インターミディエイト・ジェットがエアジェットの追加に伴い変更された。
ちなみに古い資料では"Idle Jet"や"Idle Tube"と表記されていたりする。どーでもいい事ですね。
ここでおさらい。モデルを分けるアルファベットの意味を書きます。
G→ガス、GAS(ガソリン用)
F→フューエル、TOP FUEL(レース用燃料)
A→1-7/8"(口径)
B→1-3/4"(口径)
L→新型、Late Model(後期)
M→モディファイド、Modified(改良版)
MGALだったら、M・モディファイドの、G・ガソリン用の、A・大口径の、L・新型、って事になります。
これは「F」というモデル。レース燃料用の初期モデル。
※刻印がFだけどFAというモデルの可能性もアリ←誰か教えて~
初期モデルはチョーク無し(別体の後付け)なのが特徴。ちなみにバタフライ別体はたぶん無いと思います。
これは「GA」というモデル。初期型のガソリン用ですね。
別体のチョークが付いてますね。
※この写真のはポリッシュされてますが通常は鋳造の鋳肌です。
FA、FB、GA、GBは1967-71年に作られたモデル。
1975年の資料によるとIdle Tube(インターミディ)は.025.028.031.033.036.040。
Main Jetは.066~.104の.002刻みと記されている。
タイトルのLキャブ初心者とありますが、私、最初の写真のGALとMGALを触っただけで、あと資料用に大神戸の河田氏からMGALを借りてデータ取り(この辺はシークレット♥)にしただけでまだまだ経験不足なのです。
だれかMGL貸して下さい。マジで。
若輪堂(バイクチーム)の奥本氏のショベルにGAL装着。
えらく始動性が良いですが、私のキックが上手過ぎるだけですね。
徐々にキックを弱くしてみております。
てか、エンジン暖まってるし別に凄く無いじゃん。て感じですね。
※遅角はBTDC7°にしました。
マグネトーをフル進角させて(BTDC35°)のキック始動。※動画20秒あたりから
しっかり目に蹴っております。私はエンジンの中が透けて見えますので余裕です。
慣れたらフル進角固定でカッコ良く蹴って下さいね。
約12時間外に放置して、完全に冷え切ってからのガチでの一発始動!のつもりが2発目に始動。※初めの1発はチョーキングでガソリンを送っております。
正直半分マグレかな?とにかくホッとした。(恥ずかしい感じの動画にならずに)
動画の撮影は去年の11月24日、深夜なので店内に入れての始動です。
とまあ、なんかLキャブなら任せろ的な記事になっちゃいましたが、まだまだ経験不足なのであまり期待されても困ったりもします。
それなりには出来るとは思いますが。
スロットルシャフト周りなどのリビルドキットはS&Sからまだ出てます。
セッティング用パーツは大神戸さんで購入出来ます。
GAL GBL MGAL用→http://daikoube.blogspot.jp/2013/08/blog-post_28.html
MGL用→http://daikoube.blogspot.jp/2014/04/lmgl.html
メインジェットの調整でなんとなく出てても、本来のパワー出てない可能性もあります。
低回転から高回転までベストにすると凄くパワフルになるので、頑張ってセッティングにトライしてみてはどうでしょうか?
ホントに肝心な事は特に書きませんでしたが、資料として何か役に立てば幸いです。
役に立った時に「イイネ」ボタンを押せば100円くらい入るシステムを誰か作って下さい。結構労力使ってるんで。
- Newer: インジェクションはもっと初心者
- Older: ピンチを切り抜ける方法