2010年05月
知らぬが仏 POWER
- 2010-05-29 (土)
- kawamura-no-koramu カワムラ・ノ・コラム
2010年現在、昔の人間からしたら「未来」と呼んでいた時代に今、私たちは住んでおります。
インターネットの普及などにより、情報が多様化している昨今ですね。欲しい情報が簡単に手に入り、買い物に出向くことなく物が買える。便利なようで少し寂しい気もする今日このごろ。
ネットを徘徊すると、知りたい事が知れますが、知らなければ良かったと思う様な事を目にするのも度々あります。
有名な所では、9.11テロが一部の権力者による陰謀説だとか、ブッシュもオバマもそこいら辺に操られているだとか、世界の人口を8000万人まで減らす計画、ウイルステロや、HAARPなる人口で遠隔で地震を起こす装置があるとか無いとか、マスコミによる情報操作の数々、真実か嘘なのか解からない事が本当の事の様に語られています。
どうやら人類は多くの物を手に入れ過ぎたみたいです。
かくいう私も、一昔前は気にしていたのですが、今はあまり考えない様に、踊らされない様にしています。
数多くの情報は参考にする程度にして、自分の考え、信念を持つ事の方がいかに生きる上では重要かという事を、現代の人間は知るべきだと考えます。
さて、上の写真ですが、見てのとおりショベルについていたガバナー(ポイント点火などに使う遠心式進角装置)ですが、何かがおかしいんです。
この部品のバイクのオーナーは昔からのツレで、ある時バイクの調子を見て欲しいと来店してきたので、軽くキャブを見て、点火タイミングを調整しました。
すると、さっきより調子が悪くなっちゃいまして、これはおかしいと思いポイントの奥までバラシてみた時に出て来たのがこのガバナーです。
このガバナーは見ると軸の穴が広がり過ぎてガバガバになっていました。まさにガバガバ・ガバナーでございます。
いや、それだけではありません、良く見て下さい。なんとスプリングがありません。どこを探しても折れたスプリングの破片も見当たりません。
これじゃ遠心力で開きっぱなしの常時フル進角じゃん。
本人にどうした事かと尋ねると、「ああ、それ折れてたから捨てたわ」
・・・・・・・・・・・・・・・
私「はぁ!?マジで?」
「ちゃんと走ってたど」
これぞまさに知らぬが仏パワーです。
ハーレーの旧車はメカの技術と情熱とオーナーの愛情で走っているのかと思っていましたが、知らぬが仏パワーでも走るという事を不覚にもヒシヒシと感じてしまいました。
他にも、ピストンリングが10個ぐらいに砕けていても走ってたバイクや、オイルを16000km換えずに平然と走ってたツインカムなどいろいろありましたが、常識の範囲外でも行けてしまう事が希にあるので恐ろしいものです。
でも、ジワジワと愛車を痛めつけているので、S.H.P(知らぬが仏パワー)に頼るのはほどほどにしておいて下さい。
さきほどのショベルですが、見てのとおりのB級チョッパーです。
最近、この様なスタイルをよく見かけますが、こやつは知り合った8年以上前からずっとB級チョッパーでした。
以前は、ナローフォーク6インチオーバーで、三段シート、ツルハシの様なやたらゴツいシッシーバーにナローボブフェンダーでしたが、ステップが付いてる所は一度も見た事がありません。
最近、パンやナックルを高級車が買える値段で、A級な人間がB級チョッパーにしている人達が居ますが、私はどうも違和感を感じてしまいます。
確かにバイクはカッコイイのですが、やはり人間も根っからのB級でなければいけないと思うのは私だけでしょうか?
B級チョッパーはBinbou Baka Bikerのマイノリティーな乗り物ではないでしょうか。
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SUキャブのメンテナンス
- 2010-05-10 (月)
- メンテナンス
ユーザーが自分でも出来るメンテナンスの指南書にでもなればいいかと思いちょくちょくアップしようと思います。
ちょっとしたメンテナンスが自分で確実にできれば、愛車の調子も良い感じに保てるかと思います。
①ご存じSUキャブレター。(全体図無いですが・・・)
まず良くあるティクラ―ポンプの不良が起こらない様に、ここのメンテから始めます。
ここがダメになるとガソリンが噴出されず、特に寒い時期の始動性が悪化します。
基本的にホームセンターで手に入る工具を中心に作業を進めていきます。(親切)
まずティクラーポンプの下部のナットを外します。(有る人は5/8のメガネレンチで外しましょう。)
②こんな感じで外れます。
黒いゴムの部分が破れていたり、縮んでしまうと押してもガソリンが噴出しません。
各パーツをキレイにしておきます。
③ポンプのボディー側(真鋳の筒の方ね)の中をお掃除いたします。
パーツクリーナーと、ウエスと、M8のボルトを用意します。
④ボルトにウエスを被せて、パーツクリーナーをガンガンかけて写真の様にホジホジしてやって下さい。
ウエスが汚れなくなるまで繰り返して下さい。
①そして、各部品がキレイになったら黒いゴムのパーツにグリスを塗って伸ばして下さい。出来ればシリコングリスが最適です。
ボディーに挿入する際はボディーの内側がネジになっていてギザギザですので、ゆっくり丁寧に入れて下さい。
コツがあるのですが、文章では説明しにくいので、知りたい方は来店して聞いて下さい。
②エアクリーナーを外してガソリンの出を確認します。
このように勢いよく出れば正常です。
ちなみにこのティクラーポンプの仕組みをよく勘違いされるのですが、ポンプ内にはガソリンは入っておらず、フロート室(キャブ本体下部のガソリンが入っている部屋)に空気を送るだけなんです。
簡単に説明すると、フロート室の容量が10として、そこにガソリンが5入っていると、空気は5になります。
そこに1の空気を送り込むと行き場のなくなった、ガソリン1がメインジェットノズル(写真のガソリンが出てる下の金色の部分)からドピュッと出る仕組みなのです。
これを会社に例えると、毎年優秀な新人がどんどん入って来るのに、高卒の俺はそろそろ出ていかなきゃいけないのかな?みたいな事になるので悲しすぎるのでこの例えはナシの方向で行きたいと思います。
空気を送るので軍手などをしてると出が悪くなりますので、穴をしっかり塞ぎながら押して下さい。
あと、ガソリンの出が悪い車両は、メインジェットアジャスター(ガソリンホースが刺さっている下の、奥まった所に有るプラスネジのヤツ)のOリングがダメになっている場合など、フロート室の空気がどこかしら漏れている為です。
③ついでにキャブの上のドーム部分も外して黒いカーボンをウエス&パーツクリーナーでお掃除して下さい。
ちなみにどーでもいいですが、我々はパーツクリーナーをパツクリと略します。
キャブの本体側も同じようにカーボンが付いているはずなので、同様にパツクリでキレイにしておいて下さい。
④SUキャブはアルミのごっついピストンが常にエンジン側に押されながら(吸われながら)上下しているのでマジックの車線部分が減り易いです。
ここが減っていないか要チェックです。
ニードルもひどい物は断面が真円からD型に減っているものもあります。
他にもSUキャブは、弱点がいっぱいあって当店では新品を組み込む時も一度バラバラにして、弱点を改善してから使います。(よくある真鋳のガイドとかを使うんじゃありません。)
改善してから使えばキャブ自体の耐久性が飛躍的に向上すると私は思っております。